書籍名 | 論点思考 |
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著者 | 内田和成 |
出版社 | 東洋経済新報社 |
価格 | 1,680円(税込) |
「新規顧客の開拓をしたいんだけど、久保さん、何とかしてくれない?」
経営コンサルタントという職業は、経営者の悩みや抱えている問題解決のお手伝いをする仕事です。ですからコンサルティングは、経営者の悩みを聞くことから始まります。 しかし、経営者の言う「悩み」「問題」を全て鵜呑みにして聞き入れ、解決策を提示するようなことはしません。
まずはクライアントである経営者の言葉を疑ってかかるのです。
問題解決の大前提とは?
前述の経営者の方、そもそもなぜ「新規顧客を開拓したいのか?」と聞いていくと、 「最近売上が落ちていてねえ。」という返答。 この経営者の方は、『売上改善のためには新規顧客の開拓が必要』という図式が勝手に成り立っていたのです。
つまり経営者が抱えていた問題の論点は「新規顧客の開拓」ではなく、「いかにして売上を改善するか」でした。
「売上改善」をする方法は「新規顧客開拓」以外にも数多く存在します。 「新規顧客開拓」には多くのコストと労力がかかりますので、売上改善を図りたいのなら、既存の顧客に対して接触を増やしていく方が効果は出やすいのです。
私は、この経営者には「新規顧客開拓」ではなく、「既存顧客に対する営業の強化」を提案しました。
先日開催しました「問題解決術」のセミナーでもお話ししたことですが、 問題解決の大前提は、「問題が間違っていないこと」です。問題自体が間違っていたのでは、いくら答えを導き出したとしても間違った答えしか出てきません。 コンサルティングをする上でも、経営者の抱えている「問題」を全て真に受けていたのでは、経営者が本当に望んでいる解決(売上の向上)にはつながらないのです。
これはコンサルタントに限った事ではありません。すべてのビジネスパーソンにも同じことが言えます。 上司や取引先から出された課題に対して常に疑ってかかること。 問題に目を向けるのではなく、根本にある「論点」に目を向けること一番重要です。
今日ご紹介する「論点思考」に書かれている「論点を把握し、問題を解決していく」力は コンサルタントだけではなく、すべてのビジネスパーソンにとって必要となる力です。 ぜひご覧ください。