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書評

これからの思考の教科書

書籍名これからの思考の教科書
著者酒井穣
出版社ビジネス社
価格1,365円(税込)

「仕事が忙しいから家庭が疎かになるのは仕方ない」

ビジネスマンの中にはこんな言葉を発する人がいます。 しかも、不思議なことになんだか誇らしげな表情。みなさんにも心当たりありませんか?仕事が忙しいから家族との時間が取れない。本を読む時間がない・・・

『何かを得るためには他の何かを犠牲にしなければいけない』

私は、このトレードオフという概念が嫌いです。 実際に、私はビジネスも家庭も大切にしていますし、どちらかを犠牲にするつもりは全くありません。

数年前から「ロジカル・シンキング」がブームになっています。 書店に行けば特設コーナーが作られ、多くのノウハウ本が並んでいます。 「ロジカル・シンキング」とは「同じ事実が与えられれば同じ結論導き出すことができるスキル」であるため非常に効率的で、かつビジネスの現場では共通言語として非常に重要です。しかし、これは言い換えれば『10人いても、10人全員が同じ結論しか出せない』ということでもあります。これではビジネスマンとしての付加価値はありません。

「ロジカル・シンキング」の対極の思考法として「ラテラル・シンキング」があります。これは「ロジカル・シンキング」からだけでは難しい斬新で飛躍のあるアイディアを生む思考法です。この思考法によって他者と差別化する画期的なアイディアを生み出すことができます。

ビジネスでは「ロジカル・シンキング」も「ラテラル・シンキング」も必要なのです。

世の中には数え上げればキリがないほど多くの思考方法があります。 線形思考と非線形思考・連続型思考と非連続型思考・・・

私もこれまで数多くの思考法の本を読んできました。 しかしその多くが、ある特定の思考法についてのみ書かれており、対立するもう一方の思考法については簡単に言及するだけ、もしくは全く触れないという状況です。

今回ご紹介する本『これからの思考の教科書』。 この本の凄さは、単純に「ロジカル・シンキング」と「ラテラル・シンキング」の両方を使いましょう、 というのではなく、その先に「インテグレーティブ・シンキング」を提唱しているところです。

「インテグレーティブ・シンキング」とは対立する2つのアイディアのうち、一方をすんなりと選んだりはせず、2つのアイディアの対立するポイントを受け入れるような、より優れた第3のアイディアを考えるということです。

この思考法はまさしくトレードオフを考えていない点で有用性が高いのです。 『思考を思考する』というテーマのこの本は少し難しい様に思える点があるかもしれませんが、みなさんにぜひ読んでいただきたい本です。

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