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書評

これからの「正義」の話をしよう

書籍名これからの「正義」の話をしよう
著者マイケル・サンデル
出版社早川書房
価格2,415円(税込)

「クマが民家近くに出没!地元の猟友会が射殺」

先日こんなニュースを耳にしました。夏の猛暑の影響で、クマの餌となる木の実が不足しているため、餌を探しに人里に下りて来ているのだそうです。

すると後日、クマを射殺したというこの報道に対し、「かわいそうだから殺さないでというクレームが起こっている」という話題が取り上げられていました。クレームをした人達にとっては「クマの命も、人間の命と同様に尊重し守るべき」ということなのでしょう。

しかしその一方で、日本では年間30万頭の動物が保健所で殺処分されていますが、このことに対して声を挙げて反対する人はほとんどいません。

世の中には様々な価値観を持つ人たちがいます。

・人の命の安全を守るためには他の動物の命を奪っても良いと考える人/他の命も人間の命と同様に尊重するべきという人。
・生きるために自分自身の体を売る女性/倫理に反していると罰する法律。
・人を殺すことは罰せられる/自殺という形で「自分自身を殺すこと」は犯罪に問われない今の社会。

今日ご紹介するのは『これからの「正義」の話をしよう』です。これはハーバード大学で行われている講義を書籍化したものです。この講義の模様はNHKで『ハーバード白熱教室』として放送されていたため、ご存知の方も多いのではないでしょうか?

この本は自分の思考の癖を理解すること、そして世の中には様々な価値観を持つ人が存在することを知るきっかけとなります。私はこの本を読んで、「どんな事が起きても常に自己責任だ」と考える自分自身の思考が「極端なリバタリアン」だということを初めて認識しました。

人間の価値観には多様性があるために1つの絶対的な正解などは存在しません。だからこそ価値観が違う相手を打ち負かすのではなく、1つの方向性を出すための議論が必要となります。

「会社や上司の決定に納得がいかない」そう悩んでいる方にぜひお薦めしたい一冊です。
ぜひ読んでみてください。

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